土地に占める森林率が日本一の高知県では、限られた農地の生産性を上げるため、長年収益性の高い施設園芸に力を注いできました。その結果、ナス、シシトウ、ミョウガなどは全国1位の出荷量を誇り、そのほかにもピーマン、キュウリ、ニラなどの主産地として知られています。
しかしながら、施設園芸の先進国であるオランダとの生産性を比較した場合、なお反収水準に大きな差があることから、高知県では2011年から「次世代型施設園芸システム」の開発に着手し、温度、湿度、炭酸ガス濃度など施設内環境の見える化を進めました。この結果、装置導入農家では反収の向上がみられたものの、一部の農家ではデータの活用の仕方が分からないという理由により期待された成果が得られず、単に装置を導入するだけでは不十分であるという課題が確認されました。
このため県は2018年より、各農家が独自で管理しているデータを共有し、分析したうえで有益な情報としてフィードバックする仕組み、すなわちデータ駆動型の営農指導ができるIoP(植物のインターネット)クラウドを利用した営農システム「SAWACHI(サワチ)」の開発に取り組み、2022年に本格稼働させました。現在、出荷・環境等のデータを提供している生産者数は約3000戸、サワチ利用者数は1000戸を超えており、このシステム利用により単収の10~20%向上、なかにはキュウリ新規就農者が地区平均の5割増の単収を実現する例も輩出されています。
今回の農業懇話会では、高知県農業振興部IoP推進監 岡林俊宏 氏をお招きして、県がJA高知県や大学、民間企業等と連携して取り組んでいる、「高知県におけるIoP(Internet of Plants)が導くNext次世代型施設園芸農業への進化プロジェクト」について、開発の現状と今後の展望を伺います。多くの皆さまのご参加をお待ちしています。
演題 | “IoP(Internet of Plants)”が導くNext次世代施設園芸農業への進化 ~高知県におけるIoPクラウド(SAWACHI)の取り組み紹介~ |
講師 | 高知県農業振興部 IoP推進監 岡林 俊宏(おかばやし としひろ)氏 |
日時 | 令和7年2月13日(木)午後2時~4時 |
場所 | TKP新橋カンファレンスセンター カンファレンスルーム14B (入場無料) (東京都千代田区内幸町1丁目3番1号 幸ビルディング14階) 地下鉄都営三田線内幸町駅A5出口 徒歩1分 JR新橋駅 日比谷口 徒歩7分 東京メトロ 霞ケ関駅 C4出口 徒歩8分 *オンライン方式でも並行して配信します(定員: 対面50名、オンライン500名) |
主催 | 公益社団法人 大日本農会,一般財団法人 農林水産奨励会 |
公益社団法人 大日本農会
TEL 03-3584-6739 FAX 03-3528-8140
E-mail: kouenkai@dainihon-noukai.jp
氏名,所属先,電話番号をご連絡下さい。
※ オンライン参加の場合、参加申し込みは2月12日(水)12時(正午)締切となります。
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